DX*人材育成の助成金活用とは、社員のデジタルスキル習得を後押しする公的な支援制度を、自社の育成計画に組み込むことを指します。
制度の種類は一つではありません。
本記事では、DX人材育成に活用を検討できる公的制度の概要と、自社で使う際の前提を2026年6月時点で整理します。
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- DX人材育成に使える公的制度の種類がわかる
- 企業向けと個人向けの制度を区別できる
- 人材開発支援助成金の7コースの概要がわかる
- 活用には所定の要件と計画が必要である
- TKwriteworksの無料相談で、自社に合う進め方がわかる
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DX人材育成に公的支援が活用できる背景

DX人材の育成は、いまや一企業だけの課題ではありません。
国も学び直しを後押ししています。
本章では、DX人材育成に公的な支援制度が用意されている背景を、人材不足と国の方針という2つの観点から整理します。
深刻化するDX人材の不足
支援制度が広がる背景には、深刻な人材不足があります。
需要に供給が追いついていません。
経済産業省の試算では、2030年に最大で約79万人のIT人材が不足するとされており、社内で人材を育てる重要性が高まっています(出典:経済産業省 IT人材需給に関する調査)。
採用だけに頼らず、自社で育てる選択肢が現実味を増しています。
採用市場でのデジタル人材の獲得競争は激しく、外部から採るだけでは必要な人数を確保しきれない企業も少なくありません。
その育成を後押しするのが、国による公的な支援制度という位置づけです。
学び直しを後押しする国の方針
国も、社会人の学び直しを政策として後押ししています。
リスキリング*はその中心にある考え方です。
デジタル分野の人材育成を支える制度や学習基盤が整えられてきたことで、企業は自社の取り組みに公的な支援を組み合わせやすくなっています。
育成を企業任せにせず社会全体で支えるという流れが背景にあります。
だからこそ、どんな制度があるのかを知っておく価値があります。
*DX:Digital Transformationの略。デジタル技術による事業や組織の変革。
*リスキリング:新しい業務に必要な知識やスキルを学び直すこと。
DX人材育成に活用を検討できる主な制度

DX人材育成に関わる公的制度は、対象によって大きく2つに分かれます。
企業向けと個人向けです。
本章では、それぞれの対象と目的の違いを整理し、自社の研修に関わるのはどちらなのかを見極められるようにします。
企業の研修を支える制度
企業が社員に行う研修を支えるのが、厚生労働省の人材開発支援助成金です。
これは事業主、つまり企業に向けた制度になります。
自社の社員に職務に関連した訓練を計画的に実施する場合、所定の要件を満たせば、その費用の一部について活用を検討できる仕組みになっています(出典:厚生労働省 人材開発支援助成金)。
企業のDX研修に直接関わるのは、この制度です。
自社の社員に計画的な研修を行う企業にとって、最初に確認したいのがこの制度です。
具体的なコース構成は次章で詳しく見ていきます。
個人のキャリアを支える制度
一方で、働く個人を対象とした支援制度もあります。
こちらは企業向けとは性質が異なります。
経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」は、在職者個人がキャリア相談から学び直し、転職までを受けられる仕組みで、企業の研修費用を助成する制度ではありません(出典:リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業)。
企業の社内研修に使えるのは、個人向け事業ではありません。
企業向けと個人向けを混同しないことが、制度選びの第一歩になります。
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人材開発支援助成金の制度概要
ここからは、企業向けの人材開発支援助成金を詳しく見ていきます。
制度は複数のコースで構成されています。
本章では、制度の位置づけと、DX人材育成と関わりの深いコースを2026年6月時点の情報で整理します。
制度の位置づけと7つのコース
人材開発支援助成金は、社員への職業訓練を支える国の制度です。
用途に応じて入り口が分かれています。
厚生労働省によれば、制度は人材育成支援や人への投資促進、事業展開等リスキリング支援など7つのコースで構成されており、目的に合わせて選ぶ形になっています(出典:厚生労働省 人材開発支援助成金)。
目的に合うコースを選ぶことが出発点になります。
| コース名 | 概要 |
|---|---|
| 人材育成支援コース | 職務に関連した知識・技能の訓練 |
| 人への投資促進コース | デジタル人材・高度人材の育成など |
| 事業展開等リスキリング支援コース | 新分野に必要な知識・技能の訓練 |
| 教育訓練休暇等付与コース | 有給の教育訓練制度の導入 |
| 建設・障害者向け各コース | 特定分野の訓練を対象 |
このうちDX人材育成と縁が深いのが、次の2コースです。
DX人材育成と関わりの深いコース
DX人材育成では、2つのコースが関わりやすいでしょう。
目的が異なります。
デジタル分野の人材を育てる訓練は人への投資促進コース、新規事業に伴う学び直しは事業展開等リスキリング支援コースが、それぞれ想定された場面になります。
育成の目的によって入り口のコースが変わる点を押さえておきましょう。
どのコースに該当するかは、訓練の内容と要件によって判断されます。
- 人への投資促進コース:デジタル人材や高度人材の育成を想定
- 事業展開等リスキリング支援コース:新規事業に伴う学び直しを想定
- いずれも訓練内容と要件によって対象かどうかが判断される
制度を活用する前に押さえる前提
制度は、申し込めばすぐに使えるものではありません。
事前の準備が欠かせません。
本章では、制度の活用を検討する前に押さえておきたい前提を、要件と育成目的という2つの観点から整理します。
所定の要件と計画の必要性
第一の前提は、制度に所定の要件があることです。
誰でも自動的に使えるわけではありません。
訓練の計画を事前に届け出るなど、コースごとに定められた手続きや条件を満たすことが、活用を検討するうえでの前提になります。
申請には所定の要件と計画づくりが必要だと理解しておきましょう。
最新の要件は、必ず厚生労働省の公式情報で確認することをおすすめします。
制度の内容は年度ごとに見直されることがあり、過去の情報のまま判断すると食い違いが生じかねません。
育成目的を先に固める
第二の前提は、自社の育成目的を先に固めることです。
制度ありきで考えると本末転倒になります。
どの業務をどう変えたいのかという育成の目的が定まっていれば、必要な訓練の内容も明確になり、どの制度が合うのかも判断しやすくなります。
制度は手段であって、目的ではありません。
育成計画の立て方はDX研修のカリキュラムを解説した記事もあわせてご覧ください。
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助成制度とあわせて使える学習リソース
制度の活用とあわせて、公的な学習リソースも役立ちます。
費用をかけずに使えるものも少なくありません。
本章では、育成設計の土台として活用できる学習リソースを、学習ポータルとスキル標準という2つの観点から紹介します。
学習ポータル「マナビDX」
一つ目は、デジタル分野の学習ポータルです。
名称は「マナビDX」です。
経済産業省が提供するこの学習ポータルでは、デジタルスキルを学べる講座が分野別に整理されており、自社の育成に役立つ学習内容を探す入り口として使えます。
どんな学習があるかを知る入り口として活用できます。
制度の対象となる訓練を考える際の参考にもなるでしょう。
育成の指針となるデジタルスキル標準
二つ目は、育成の指針となる物差しです。
それがデジタルスキル標準*です。
独立行政法人IPAが示すこの標準は、全社員向けの基礎と推進人材向けの専門に分けて必要な能力を整理しており、どこまで育てるかを考える土台になります(出典:IPA デジタルスキル標準)。
育成の到達点を描く物差しとして使えます。
標準を土台にすると、訓練内容にも一貫性が生まれます。
*デジタルスキル標準:経済産業省とIPAが策定した、DX推進に必要な能力の指針。
制度活用を成果につなげる進め方
制度を使うこと自体は、ゴールではありません。
大切なのは育成の成果です。
本章では、制度の活用を実際の成果につなげるための進め方を、目的設定と実践という2つの観点から整理します。
目的と対象を明確にする
成果につなげる第一歩は、目的と対象を明確にすることです。
誰に何を学んでもらうかを決めます。
全社員に基礎を広げるのか、特定の推進人材を専門的に育てるのかによって、選ぶ訓練も活用を検討する制度も変わってきます。
対象を絞ると、制度との対応も見えやすいのです。
まずは育成したい人材像を一つ描いてみるとよいでしょう。
研修と実務をつなぐ
もう一つの要点は、研修と実務をつなぐことです。
学んで終わりにしません。
制度を使って実施した研修で得た知識を、実際の業務で試す機会まで設計しておくことで、学びが現場の成果として根づいていきます。
制度の価値は、現場の変化となって初めて表れます。
研修後の定着の工夫はDX研修の効果を解説した記事でも扱っています。
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DX人材育成の助成金活用についてよくある質問
DX人材育成の助成金活用について、寄せられることの多い質問をまとめます。
検討の判断に役立つ論点を選びました。
個別の相談は、後述の無料相談でも承ります。
Q1. 制度はどこで最新情報を確認できますか?
厚生労働省の公式ページで確認するのが確実です。
助成制度は要件や内容が改定されることがあり、年度によって扱いが変わる場合もあります。
そのため、検討の際は必ず公式の最新情報を一次情報として確認することをおすすめします。
社会保険労務士など専門家に相談しながら進めるのも、確実な方法の一つでしょう。
Q2. 中小企業でも活用を検討できますか?
企業規模にかかわらず、対象となる場合があります。
人材開発支援助成金は、所定の要件を満たす事業主が活用を検討できる制度として設けられています。
自社が対象に該当するかどうかは、コースごとの要件と訓練内容に照らして個別に確認する必要があります。
規模が小さくても、計画的な育成に取り組む企業であれば検討の余地は十分にあるといえます。
Q3. 制度活用と自社の研修設計はどちらを先に考えますか?
育成の目的と研修設計を先に考えるのが基本です。
制度に合わせて研修を組むと、本来育てたい人材像から離れてしまいかねません。
育成目的を固めてから制度の活用を検討するという順番が、成果につながりやすい進め方です。
制度はあくまで育成を後押しする手段として位置づけると、判断を見誤りにくくなるでしょう。
まとめ
DX人材育成には、企業向けと個人向けの公的制度があります。
社内研修に直接関わるのは、厚生労働省の人材開発支援助成金です。
制度は7つのコースで構成され、デジタル人材育成や新分野のリスキリングに対応するコースが、DX研修と関わりの深い入り口になります。
活用には所定の要件と計画が必要で、最新情報は公式で確認することが欠かせません。
あわせて、マナビDXやデジタルスキル標準といった公的な学習リソースも育成設計の土台になります。
制度は、育成の目的を固めてから組み合わせるのが近道です。
自社の状況に合う制度の活用や、目的に沿った研修設計を相談したい場合は、TKwriteworksの無料相談もご活用いただけます。
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出典・参考情報
