リスキリングの助成金でいくらもらえるかは、賃金助成・経費助成・設備投資加算という三つの要素の組み合わせで決まります。
中心となるのは、訓練経費の一定割合が戻ってくる経費助成です。
金額は要件しだいです。
この記事では、人材開発支援助成金の事業展開等リスキリング支援コースを例に、助成額の決まり方と限度額、そして大まかな計算の考え方を、厚生労働省の資料に沿って整理します。
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- 助成額は賃金助成・経費助成・加算で決まる
- 経費助成率は中小企業75%・大企業60%である
- 賃金助成は1人1時間あたり1,000円が目安
- 1事業所が1年度に受けられる額には上限がある
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リスキリングの助成金はいくらもらえる?

リスキリングの助成金は、一律の定額で支給されるわけではありません。
訓練にかかった経費や、訓練を受けた従業員の時間数などに応じて、支給される額が積み上がっていく仕組みになっています。
支給額が一律でないからこそ、どの研修をどう組むかで結果が変わってきます。
本章では、助成額がどの要素から組み立てられるのかを先に押さえておきましょう。
助成額は三つの要素で決まる
事業展開等リスキリング支援コースの助成額は、三つの要素から成り立ちます。
訓練にかかった経費の一部を補う経費助成、訓練中の賃金の一部を補う賃金助成、そして設備の導入費用を補う設備投資加算の三つです。(出典:厚生労働省「事業展開等リスキリング支援コースのご案内(詳細版)」)
もらえる総額は、この三つを足し合わせた金額になります。
三つすべてがそろっている必要はありません。
どの研修を、何人に、どれだけの時間と費用をかけて実施するかによって、合計額は大きく変わってきます。
中心となるのは経費助成
三つの要素のなかで、金額の中心になりやすいのが経費助成です。
外部の研修会社へ支払う受講料や、研修の委託費といった訓練経費に対して、一定の割合がかけ合わされて算定されるためです。
経費助成の割合は、企業規模によって変わります。
賃金助成はいくら?

一つ目の要素である賃金助成は、訓練を受けている間の賃金の一部を補うものです。
従業員が業務を離れて研修を受ける時間にも人件費はかかり、その負担を和らげるのが賃金助成の狙いです。
本章では、賃金助成の単価と限度時間を整理します。
1人1時間あたりの助成額
賃金助成は、1人1時間あたりの単価で計算されます。
事業展開等リスキリング支援コースのOFF-JT*では、中小企業が1人1時間あたり1,000円、中小企業以外が500円とされています。(出典:厚生労働省「事業展開等リスキリング支援コースのご案内(詳細版)」)
この単価に、訓練時間と対象人数をかけたものが賃金助成の額です。
単価は時間あたりで決まっているため、計算はそれほど複雑ではありません。
たとえば中小企業が5人に20時間の研修を行えば、賃金助成は計算上1,000円×20時間×5人で算定される形になります。
*OFF-JT:Off the Job Trainingの略。通常の業務から離れて行う研修や講習。
賃金助成には限度時間がある
賃金助成は、いくらでも積み上がるわけではありません。
賃金助成の対象となる時間には上限があり、1人1訓練あたり1,200時間が限度時間として定められています。(出典:厚生労働省「事業展開等リスキリング支援コースのご案内(詳細版)」)
限度時間を超えた分は、賃金助成の対象になりません。
多くの研修では限度時間に達することは少ないものの、長期の訓練を計画する際には意識しておきたい数字です。
時間あたりの単価と限度時間の二つで、賃金助成の枠が決まります。
経費助成はいくら?
二つ目の要素である経費助成は、訓練そのものにかかった費用の一部を補います。
受講料や委託費が中心となるため、外部の研修を活用するほど経費助成の比重は大きくなりやすい傾向があります。
本章では、経費助成の割合と限度額を整理します。
経費助成率は中小75%・大企業60%
経費助成は、訓練経費に一定の割合をかけて算定します。
事業展開等リスキリング支援コースの経費助成率は、中小企業が75%、中小企業以外が60%とされています。(出典:厚生労働省「事業展開等リスキリング支援コースのご案内(詳細版)」)
同じ訓練でも、中小企業のほうが高い割合で助成を受けられます。
つまり同じ研修費でも、中小企業のほうが多く戻る計算です。
ただし、この割合をかけた額がそのまま支給されるとは限りません。
実際の助成額には、訓練時間に応じた1人あたりの限度額がかかるためです。
1人1訓練あたりの限度額
経費助成にも、1人1訓練あたりの限度額が設けられています。
OFF-JTの実訓練時間数に応じて区切られており、中小企業の場合は次のように定められています。(出典:厚生労働省「事業展開等リスキリング支援コースのご案内(詳細版)」)
- 10時間以上100時間未満:30万円
- 100時間以上200時間未満:40万円
- 200時間以上:50万円
中小企業以外の場合は、同じ区分でそれぞれ20万円・25万円・30万円が限度額です。
訓練時間が長いほど限度額の枠は広がりますが、それでも上限を超えて支給されることはありません。
助成率をかけた額が限度額を超える場合は、限度額までが支給の対象です。
設備投資加算と受給の上限額
三つ目の要素が設備投資加算で、これに加えて受給全体の上限も定められています。
金額の大枠をつかむには、加算と上限の両方を押さえておくと見通しが立てやすくなります。
本章では、設備投資加算と1事業所あたりの上限を整理します。
設備投資加算は導入費用の50%
設備投資加算は、訓練に関連する設備の導入費用を補う加算です。
事業展開等リスキリング支援コースでは、要件を満たす場合に導入費用の50%が加算の対象とされています。(出典:厚生労働省「事業展開等リスキリング支援コースのご案内(詳細版)」)
加算にも限度があり、対象者1人につき15万円までとされています。
設備をともなう研修では、この加算が経費助成や賃金助成に上乗せされます。
対象者が10人以上の場合は、人数にかかわらず150万円が限度額となる点も押さえておきましょう。
1事業所が1年度に受けられる上限
受給額には、1事業所あたりの全体の上限もあります。
人材開発支援助成金では、1事業所が1年度に受給できる助成額は1億円が上限とされています。(出典:厚生労働省「事業展開等リスキリング支援コースのご案内(詳細版)」)
受講回数にも制限があります。
助成の対象となる訓練の受講回数は、1労働者につき1年度で3回までと定められています。
単価や助成率だけでなく、これらの上限も合わせて見ておくことが大切です。
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もらえる額をイメージする計算例
ここまでの数字を使うと、もらえる額のおおよそのイメージがつかめます。
あくまで一般的な計算の例であり、実際の支給額は要件を満たすかどうかの審査によって決まる点には注意が必要です。
本章では、計算の組み立て方と一例を示します。
計算は経費助成と賃金助成の合算
もらえる額は、経費助成と賃金助成を中心に足し合わせて考えます。
経費助成は訓練経費に助成率をかけ、賃金助成は単価に訓練時間と人数をかけて求め、それぞれを合計するという流れです。
それぞれに限度額があるため、合計も限度の範囲に収まります。
限度額を超えた分は、合計には含まれません。
設備投資をともなう場合は、ここに設備投資加算が上乗せされる形になります。
中小企業の試算の一例
具体的な数字で、ひとつの試算をたどってみます。
中小企業が5人に50時間のOFF-JTを行い、訓練経費が1人あたり10万円だった場合を考えます。
経費は合計50万円となり、助成率75%をかけると、計算上の経費助成は37.5万円が目安です。
賃金助成は、1,000円に50時間と5人をかけて25万円が目安となります。
この例では、合算でおよそ62.5万円が計算上のイメージとなります。
ただし、これは要件を満たした場合の試算であり、支給を確約するものではありません。
受給額を左右する注意点
同じ訓練でも、条件によってもらえる額は変わります。
金額の話だけが先に進むと、要件を満たせずに想定より少なくなることもあるため、前提もあわせて見ておきたいところです。
本章では、受給額を左右する注意点を整理します。
賃金要件などで助成率が変わる
助成率や単価は、一定の要件を満たすと引き上げられる場合があります。
訓練後に対象者の賃金を一定割合以上引き上げるといった賃金要件を満たすと、助成率などが加算される仕組みが設けられています。(出典:厚生労働省「事業展開等リスキリング支援コースのご案内(詳細版)」)
同じ研修でも、要件しだいで受給額は上下します。
逆にいえば、要件を外すと見込みより減ってしまうこともあるのです。
金額を見積もる際は、自社がどの要件に当てはまるのかを早めに確認しておくと、見込み違いを防げます。
時限措置と最新情報の確認
事業展開等リスキリング支援コースは、期限のある制度です。
このコースは令和8年度末までの時限措置とされており、年度ごとに助成額や要件が見直される場合もあります。(出典:厚生労働省「事業展開等リスキリング支援コースのご案内(詳細版)」)
制度は年度ごとに動くため、過去の数字をそのまま当てにするのは禁物です。
この記事の金額も執筆時点のものであり、申請の前には厚生労働省の最新の資料で確かめることが欠かせません。
制度の要件は、人材開発支援助成金の要件を解説した記事でも詳しく扱っています。
いくらもらえるかについてよくある質問
リスキリングの助成金でいくらもらえるかについて、寄せられることの多い質問をまとめます。
金額の感覚をつかむうえで迷いやすい点を選びました。
個別の試算や相談は、本文中の無料相談でも承っています。
Q1. 中小企業と大企業で金額は違いますか?
同じ訓練でも、企業規模によって助成額は変わります。
経費助成率は中小企業が75%、中小企業以外が60%で、賃金助成も中小企業が1人1時間1,000円、中小企業以外が500円と差が設けられています。
同じ研修でも、中小企業のほうが手厚く支援を受けやすい設計といえるでしょう。
Q2. 申請すれば必ずこの金額がもらえますか?
記事で示した金額は、あくまで計算上の目安です。
実際の支給は、計画届の提出や訓練の実施、書類の整備といった要件を満たし、審査を通過した場合に行われます。
金額の見込みと、要件を満たす準備は、あわせて進めておくのが安心です。
Q3. 設備を入れない研修だけでも助成は受けられますか?
設備投資をともなわない研修だけでも、助成の対象になり得ます。
その場合は設備投資加算が付かず、経費助成と賃金助成を中心に金額が組み立てられる形になります。
自社の研修内容に合わせて、どの要素が中心になるかを確かめておくとよいでしょう。
まとめ
リスキリングの助成金でいくらもらえるかは、三つの要素の組み合わせで決まります。
賃金助成は1人1時間あたり1,000円(中小企業以外500円)、経費助成率は中小企業75%・中小企業以外60%が目安で、これに設備投資加算が上乗せされる仕組みです。
一方で、限度額や1事業所1億円という上限、受講回数の制限もあります。
金額の目安と要件をあわせて見ておけば、自社での活用余地が見えてきます。
自社の研修でどの程度活用できそうか整理したいときは、TKwriteworksの無料相談もご活用ください。
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出典・参考情報
