リスキリングの助成金で対象となる講座は、自社の事業計画に沿った専門的な訓練に限られます。
中心となるのは、事業展開やDX*化などに必要な知識と技能を学ぶ、10時間以上のOFF-JT*です。
趣味や一般教養の講座、法令で義務づけられた講習などは、対象から外れます。
この記事では、人材開発支援助成金の事業展開等リスキリング支援コースを例に、対象となる講座の範囲と対象外の例を、厚生労働省の資料に沿って整理します。
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- 対象講座は三つの分野のOFF-JTに限られる
- 共通の要件は10時間以上の訓練である
- eラーニングや定額制も条件つきで対象になる
- 趣味教養や法定講習は対象外となる
- TKwriteworksの無料相談で、自社の研修が対象かがわかる
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リスキリング助成金の対象講座とは?

事業展開等リスキリング支援コースの対象講座は、どんな研修でもよいわけではありません。
助成の狙いが、事業の変化に必要な人材を育てることにあるため、講座の内容にも一定の条件が設けられています。
まずは、対象となる講座の枠組みと、共通する基本要件を押さえます。
対象になるのは三分野に関する訓練
このコースの対象講座は、三つの分野のいずれかに関わる訓練に絞られます。
事業展開に伴う新分野の訓練、企業内のDX・GX化に関わる訓練、そして人事・人材育成計画に基づく訓練の三つです。(出典:厚生労働省「事業展開等リスキリング支援コースのご案内(詳細版)」)
いずれも、自社の計画と結びついた専門的な訓練である点が共通します。
逆にいえば、計画と関係のない研修は対象になりません。
どの分野に当てはまるかは、訓練の内容と自社の事業計画を照らし合わせて判断していくことになります。
基本要件は10時間以上のOFF-JT
分野に当てはまっても、形式と時間の要件を満たさなければ対象になりません。
このコースは、業務を離れて行うOFF-JTが基本で、実訓練時間数が10時間以上であることが要件とされています。(出典:厚生労働省「事業展開等リスキリング支援コースのご案内(詳細版)」)
時間数は、移動や休憩を除いた実際の訓練時間で数えます。
10時間に満たない短い研修は、対象から外れる点に注意が必要です。
この分野と時間の二つが、対象講座を見分ける入口になります。
*OFF-JT:Off the Job Trainingの略。通常の業務から離れて行う研修や講習。
*DX:Digital Transformationの略。デジタル技術による事業や組織の変革。
*GX:Green Transformationの略。脱炭素に向けた事業や産業構造の転換。
対象となる三つの訓練分野

対象講座の中心にあるのが、三つの訓練分野です。
自社の研修がどれに当たるのかをはっきりさせると、対象かどうかの見当がつけやすくなります。
本章では、三つの分野をそれぞれ具体的に見ていきます。
事業展開に伴う新分野の訓練
一つ目は、事業展開に伴って必要になる訓練です。
新たな製品やサービスを手がけ、これまでとは異なる分野へ進出する際に、その分野で必要となる専門的な知識や技能を学ぶ訓練が当てはまります。(出典:厚生労働省「事業展開等リスキリング支援コースのご案内(詳細版)」)
鍵になるのは、新しい分野への進出という事業計画との結びつきです。
たとえば製造業が自社製品の設計を内製化するために、設計ソフトの操作を学ぶ研修などが想定されます。
計画書のなかで、その訓練がどの事業展開に必要なのかを示せることが前提になります。
DX・GX化に関連する訓練
二つ目は、企業内のDX・GX化を進めるための訓練です。
デジタル技術を使って業務の効率化や顧客への新たな価値提供を図る取り組みや、脱炭素に向けた事業の転換に関わる訓練がここに入ります。(出典:厚生労働省「事業展開等リスキリング支援コースのご案内(詳細版)」)
データ分析やAIの活用など、実務に直結する内容が中心になります。
身近な例では、業務へのAI導入が挙げられます。
一方で、機器の初歩的な操作を覚えるだけの内容は、ここには含まれません。
業務をどう変えるためのデジタル訓練なのか、その狙いを描けるかどうかが分かれ目になるでしょう。
人事・人材育成計画に基づく訓練
三つ目は、人事や人材育成の計画に基づく訓練です。
計画にそって、従業員が今後従事する予定の職務に必要な知識や技能を習得させる訓練が対象になります。(出典:厚生労働省「事業展開等リスキリング支援コースのご案内(詳細版)」)
いまの職務とは異なる職務に向けた訓練であることが条件とされています。
この分野には、もう一つ気をつけたい点があります。
複数の講座を一定額で受け放題にする定額制サービスは、この三つ目の分野では対象外とされているため、形態の選び方に注意が要ります。
対象となる訓練の実施形態
対象講座は、教室での集合研修だけに限られるわけではありません。
外部への委託や、オンラインの講座まで幅広く認められており、その分だけ実施形態ごとの条件も押さえておきたいところです。
本章では、主な実施形態と、それぞれの注意点を整理します。
事業外訓練と事業内訓練
対面で行う訓練は、大きく二つの形に分かれます。
外部の研修機関などが企画・主催する事業外訓練と、自社が主催して集合形式で行う事業内訓練です。(出典:厚生労働省「事業展開等リスキリング支援コースのご案内(詳細版)」)
外部の研修会社に委託する形が、事業外訓練です。
委託でも自社実施でも、対象としての扱いは変わりません。
自社で講師を立てて行う研修も、集合形式であれば対象になり得ます。
どちらの形でも、講師の要件やカリキュラムの整え方など、満たすべき条件は変わらず求められます。
eラーニング・通信制・定額制サービス
オンラインで完結する訓練も、条件を満たせば対象になります。
eラーニングや通信制の場合は、標準学習時間が10時間以上、または標準学習期間が1か月以上であることが求められます。(出典:厚生労働省「事業展開等リスキリング支援コースのご案内(詳細版)」)
複数の講座を定額で受講できる定額制サービスにも、対象となる道があります。
ただし、対象外の講座が全体の5割以上を占めるサービスは対象になりません。
形態が変われば、確認すべき条件も変わります。
動画を視聴するだけで、設問や添削といったやり取りのない講座も対象外とされているため、内容の確認が欠かせません。
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対象外となる講座に注意
分野や形態の条件を満たしていても、内容しだいで対象から外れる講座があります。
厚生労働省は、対象とならないOFF-JTを実施目的と実施方法の二つの観点から示しており、申請前の確認が欠かせません。
本章では、見落としやすい対象外の例を整理します。
目的で対象外になる講座
まず、訓練の目的によって対象から外れる講座があります。
ここは判断に迷う人が少なくありません。
運転免許の取得講習、接遇やビジネスマナーの研修、趣味教養を身につける講座などは、原則として対象になりません。(出典:厚生労働省「事業展開等リスキリング支援コースのご案内(詳細版)」)
法令で事業主に義務づけられた講習も、対象から除かれます。
人事・人材育成計画に基づく訓練では、管理職研修やマネジメント研修も対象外とされています。
自社の事業や職務に直接結びつく、専門的な内容かどうかが見極めの軸になるでしょう。
実施方法で対象外になる講座
次に、実施の方法によって対象から外れる講座もあります。
業務上の指示ではなく労働者が自発的に受けるものや、海外・洋上で実施するものは対象になりません。(出典:厚生労働省「事業展開等リスキリング支援コースのご案内(詳細版)」)
営業同行のように、通常の業務と区別できない訓練も対象外です。
専門的な知識や技能を持つ講師が行わない講座も、認められていません。
同じ研修名でも、やり方しだいで結論は割れます。
同じテーマの研修でも、誰がどこでどう実施するかによって、扱いが変わる場合があると意識しておきましょう。
対象講座を選ぶときのポイント
対象の範囲を踏まえると、講座を選ぶときの着眼点も見えてきます。
後から対象外と分かると計画の組み直しになりかねないため、選ぶ段階での確認が肝心です。
本章では、対象講座を選ぶ際に押さえたい二つの視点を取り上げます。
事業計画と訓練内容を結びつける
対象講座選びの出発点は、自社の事業計画です。
どの事業展開やDX・GX化のために、誰にどんな力をつけてほしいのかを先に描いておくと、選ぶべき講座が絞り込みやすくなります。
計画と訓練内容の結びつきが、対象かどうかを左右します。
研修会社のカリキュラムを見るときも、その内容が計画とどうつながるかを意識したいところです。
つながりを言葉にできない講座は、いったん立ち止まって見直す価値があります。
研修会社に任せきりにせず、自社の言葉でその必要性を説明できる状態にしておくことが望ましいといえるでしょう。
提供形態と時間数を確認する
もう一つの視点は、講座の提供形態と時間数です。
集合研修なのか、eラーニングや定額制サービスなのかによって、満たすべき条件が変わってきます。
10時間以上という時間の要件は、形態を問わず確認しておきたい基本です。
時間が足りなければ、その時点で対象から外れます。
研修会社に問い合わせる際は、標準学習時間や対象外講座の割合もあわせて聞いておくと安心でしょう。
具体的な金額の決まり方は、リスキリング助成金でいくらもらえるかを解説した記事でも詳しく扱っています。
対象講座についてよくある質問
リスキリング助成金の対象講座について、寄せられることの多い質問をまとめます。
対象か対象外かで迷いやすい点を選びました。
個別の判断や相談は、本文中の無料相談でも承っています。
Q1. eラーニングの講座でも対象になりますか?
eラーニングの講座も、条件を満たせば対象になります。
標準学習時間が10時間以上、または標準学習期間が1か月以上であることが目安で、設問や添削などのやり取りがあることも求められます。
動画をただ視聴するだけの講座は対象外となるため、受講管理の仕組みもあわせて確かめておくと安心です。
Q2. 管理職研修やマネジメント研修は対象ですか?
人事・人材育成計画に基づく訓練では、管理職研修やマネジメント研修は対象外とされています。
役職として求められる力を養う内容は、専門的な職務に向けた訓練とは区別されるためです。
同じ研修でも、事業展開やDX・GX化に直接関わる専門的な内容であれば、対象になり得る場合もあります。
Q3. 資格取得のための講座は対象になりますか?
資格に関わる講座は、内容によって扱いが分かれます。
講習を受けなくても単独で受験できる資格試験そのものや、適性検査は対象になりません。
一方で、事業展開やDX・GX化に必要な専門知識を学ぶ訓練であれば、資格につながる内容でも対象になる場合があります。
まとめ
リスキリング助成金の対象講座は、自社の計画に沿った専門的な訓練に絞られます。
事業展開・DX/GX化・人事人材育成という三つの分野に関わる、10時間以上のOFF-JTが基本の枠組みです。
eラーニングや定額制サービスも条件つきで使える一方、趣味教養や法定講習、管理職研修などは対象外になります。
講座を選ぶ前に、計画との結びつきと時間の要件を確かめておけば、見込み違いを防ぎやすくなります。
自社の研修が対象になりそうか整理したいときは、TKwriteworksの無料相談もご利用ください。
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出典・参考情報
